2019.02.01

急成長が世界中から注目されている大都市、深圳


昨年末、深圳のハイテクフェアに視察に行って参りました。第二のシリコンバレーと言われ、その急成長が世界中から注目されている大都市、深圳。

JETROのレポートによれば、深圳が位置する広東省の人口は約1億1169万人、経済規模では中国最大のシェア、10.9%を誇るイノベーション都市です。
広東省の主要都市のGRPのうち、深圳市だけで2兆1,503億1500万元。これは香港とほぼ同規模で、その成長率は8.8%と北京、上海を大きく上回っています。
ハイテクフェアが行われた現地は数の面でも、スピードの面でも、熱量においてもとにかく圧倒的でした。何といってもスケール感が桁違いです。
今回野視察ツアーの感想を総括するなら「日本は太刀打ちできないな」というのが偽らざる本音です。以前訪問したシリコンバレーが新進気鋭のIT企業の集結だとすれば、一方の深圳はドローン、自動車、携帯電話の新製品が立ち並ぶメーカー企業の集合体という印象を持ちました。
シリコンバレーでは競合優位性を担保するために技術力や革新性など、何か頭ひとつ抜きんでた洗練や完成度の高さが不可欠であったのに比べ、深圳ではたとえ模倣でも、たとえ未完成でもとにかく我先に「早く安く市場に製品をリリースできたものこそ正義である」という勢いに満ちていました。

 

 

将来有望な人材に対し、惜しみなく投資するシステムが完備されている。


大学の近郊にベンチャーキャピタルが集結する構図はシリコンバレーと同じです。大学の研究所と事業所がパートナーシップを持ち、研究開発にいそしむ傍らで投資家達が将来有望な人材に対し、惜しみなく投資するシステムが完備されています。また「金は出すが口は出さない」という気風のいい風土もあり、驚くべきことに、何と年間8万社が起業しているそうです。ただ、起業して1年以上存続できる企業は全体の1パーセントにも満たない。それだけ競争が厳しいことの証でもありますが、一方で「失敗したら、新たに挑戦すればいい」とラフな感覚で事業を興している。この点にとても勢いを感じました。とにかくまずは新製品をリリースし、その価値を市場に問うことを競い合うという構図です。
急速かつ大量の新製品の生産を可能にしているのは小ロット多量種生産に対応できる独自のサプライチェーンです。企画、設計、試作品製造、部品調達に及ぶ徹底した分業化が行われており、短期間で安価かつ高品質の製品を提供することを底支えしています。
ここまで急速に都市が急成長した背景には独自のイノベーションエコシステムが完備されていることがやはり大きいようです。
中でも優秀な人材を一都市に集結させるべく政府が「国策」として掲げ、大きな後ろ盾となったことは見逃せません。聞けば、中国では日本のように住民票の移動ができないそうです。生まれた場所でのみ国籍が与えられるため、生まれおちた土地に束縛されまいと、富裕層の多くは自分達の子どもを早期からアメリカなど海外に留学をさせてしまいます。優秀な人材ほど早くから海外へ渡ってしまう。そこで海外へ流出してしまった自国の人材を中国に引き戻すべく、国が生え抜きのエリートに対して優遇措置を施す政策を打ち出したのです。
従来移転の許されなかった住民票を深圳おいてのみ交付を認められた結果、優秀な人材を一都市に集中させることが可能になりました。その一拠点においでスタートアップ企業を国政として支援し、ハイテク分野におけるグローバルな民間企業へと成長させる。民間一体で若きハイテク創業者の育成支援をしているというわけです。

 

独自技術をもった有望企業が多い地方都市にこそ、秘められたチャンスはあるのではないか。


今回のハイテクフェアでは中国を筆頭に、台湾、香港、韓国などアジア諸国とドイツをはじめとするヨーロッパ各国の企業や大学による出展ブースが立ち並んでいました。方々で新商品セールスの熱い商談が交わされていました。
日本企業の出展はごくわずかしか見かけられなかったのが残念でしたが、
IoT機器や先端素材、リハビリ用VR機器、知人探知機などの分野の企業が参加していたことに希望の光を感じました。
現在、深圳では交通機関、鉄道、公共の場における情報のIoT化の普及が急ピッチで進められており、IT技術、金融、科学特定分野での人材が不足していると言われています。今回のハイテクフェアでIT企業の出展が多かったのはそのニーズの高さを物語るものでしょう。
翻って、わが日本には新潟をはじめ日本の地方企業の中にはニッチで希少な技術力を有した中堅・中小企業がたくさんあります。
日本のメーカーはとかく精緻な完成度にこだわり、時間をかけてしまう傾向がありますが、彼らのパワーを見習って協働の可能性を共に模索することで拓ける道も大いにあるはずです。勢いのある中国の投資家と組んで資金調達やラインセンス契約、アライアンス契約が可能になれば、新たなビジネス展開が期待できます。IoT関連技術をはじめ、独自技術をもった有望企業が多い地方都市にこそ、秘められたチャンスはあるのではないか。そんなことを感じた視察でした。

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