2020.03.04

 前回のブログで、「時代の潮目」を読むことについてお話ししました。話が前後してしまいますが、今回は2019年秋に訪れたポートランドで感じた、先見の明の尊さについてお話しさせてください。

 

ポートランドと新潟に通じる、共通点と相違点


先見の明とは、辞書によれば「事が起こる前に、それを見抜く見識」とあります。それがこのブログの結論なのですが、しばしおつきあいください。オレゴン州最大の都市・ポートランドは現在、アメリカで住みたい都市ナンバーワンと言われているそうです。確かに自然に恵まれ、環境問題に大変力を入れていることもあり、治安もよく、住みやすいおしゃれな街という印象でした。公共の交通機関もとても配慮された設計だと感じました。路面電車に乗れば、ポートランド国際空港からポートランド近郊のダウンタウンまでスムーズに移動できます。

エースホテルなどホテルも古くてカッコイイ。街中にシックなおしゃれ感、アート感が漂います。

 

私がポーランドを訪れたのはサンクスギビングデーをはさんだ感謝祭のシーズンでした。実は今回の訪問で初めて七面鳥の丸焼きを目の当たりにしました。確か中学生の頃、教科書で見た姿そのものでしたが、想像していたよりとても美味しかったです。これまで過去に何度もアメリカに来ていますが、滞在中に「食事がおいしい」と感じたのは今回が初。

ターキーやビーフなど肉類だけでなく、魚介類も豊富でファーマーズマーケットで売られている新鮮な野菜と合わせたローカルメニューを堪能しました。ワインも安くて美味しいし、ワイナリーやクラフトビールの醸造所もたくさんあり、楽しみました。

サンクスギビングは直訳すると「勤労感謝の日」に近いのでしょうが、現地の様子は日本のお正月や中国の春節に近いでしょうか。町中お店は閉まっており、家族や仲間と一緒に家で過ごすのが基本らしいです。知り合いの先輩経営者の幹部のお家にご招待いただき、そのご家族と一緒に過ごさせてもらう中で、いろいろなことを感じました。海を渡り、移民として渡り住んだ人々が新しい土地で今年もまた新しい年を迎えられることを神様に感謝する、そんな節目の日。大事な家族や仲間を互いに思い合う交流に触れ、私もとても温かい気持ちになりました。

 

ポートランドの人々は七面鳥を食べ、家族や友人と語らう休日を過ごした後、感謝祭のセールに買い物にでかけることをとても楽しみにしているそうです。何でも1年間の消費の7割をこのサンクスギビングデーからクリスマスの間に集中するという話を聞き、驚きました。物価は日本と比べるとかなり高いですが、だからこそ、雇用も捻出できるというよい循環ができる。本当に皆、楽しそうに買い物をしていました。

 

海と山が近く、自然に恵まれているものの、曇天も多い。ワイナリーやクラフトビールが美味しくて、食べ物もおいしい。聞けば、かつては金山があって炭鉱のために流れ者(ヒッピー)の探鉱者が多かった話を聞き、佐渡金山に思いを馳せ、曇り空が多く、海や山がほどよく近く、食べものが美味しい、これは何だかポートランドには多くの点で新潟に通じる共通点があるなと思い至ったのです。だからこそ、相違点にも気づきました。

 

 

公共事業の醍醐味は近未来の創造にある?


ふたつの都市の大きな違いは人口減の新潟に比べ、ポートランドの人口は年々増加傾向にあることです。なぜこのような差が生まれたのかと言えば、冒頭にお伝えした「先見の明」があったからこそ、と言わねばなりません。

 

ポートランドの役所は今から20年以上も前から、「この街をアメリカでいちばん住みやすい街にする」と構想し、インテルをはじめとするIT企業の誘致を行うことで若いエンジニアの雇用創出を計画的に促してきたと言います。もちろん交通網の設計も、人口増加を見越した動線確保を視野に前倒しで進められていたものだそうです。

 

公共事業にはこうした「先見の明」が必要だとつくづく感じました。先回のブログで「公務員志望の学生」の話をしましたが、公共事業の醍醐味はこうした近未来の創造にあるのでは?といまさらながら問いかけたい気分です。

 

物価が高いゆえに雇用創出も活性化すると先に述べましたが、もうひとつ見逃せないことがありました。それは解雇におけるドライさ、ライトさです。仕事がなければ、職場を変わる。このサイクルが当たりまえに機能している彼らのタフさ、身軽さにとても驚きました。

 

「職業選択の自由」と「雇用解除の選択」


日本の民間企業では雇用契約上、一度雇い入れた社員を簡単に雇用することが現状許されていません。雇われる側からすれば会社に守られているという安心材料になりますが、果たしてそれが未来永劫に安泰かといえば、疑問は残ります。

 

2020年4月から一部、同一労働同一賃金が施行されます。「非正規社員を正社員と同じ待遇を」という合言葉のもと、非正規、パート、バイトで雇用するマイナスの面ばかりが強調され、議論されてきました。その一方日本の労働法制が労働者の権利に偏重し、で容易に解雇できないゆえに生じる「雇い控え」が雇用創出を妨げる一因になっていることも否めません。高度経済成長期によく機能した制度が終身雇用制度の崩壊し、失われた30年でデフレに喘いでいる日本のこれからに機能し続けるかどうかは疑わしいです。また今後、同一労働同一賃金が施行される中で「雇用契約の解除」する権利も雇用主にもあるのがフェアだという気がします。「職業選択の自由」と「雇用解除の選択」がどのように適応されていくのか。注視していきたいと改めて思いました。

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