2015.12.25

先回に続き、ミャンマーに行って感じたことを書いていきます。介護業界が人気ない状況や、介護士が育たない環境を嘆いていたところ、この状況は「保育士が育たない。保育士がいないから、認可保育園が増えない、待機児童が増えない」と訴えるママさん達のリアルな悩みにそっくりだ、ということに気づきました。日本は子どもにもママにも年寄りにも優しくない国だと彼女たちは云います。私もそう思います。

 

介護と育児に励むママ達に必要なセルフケア


 

子ども達の大事な乳幼児期を預かる保育士さん。国家試験という難関を突破したにも関わらず、子どもへの愛情が深い保育士さんから離職していく事実を聞き、耳を疑いつつも、介護業界でも同じことがおきていると思わずにいられませんでした。日本に移住し、資格を取得した途端、転職したり、帰国したりする研修生が後を絶たないのです。

 

介護と育児。ダブルケアに悩めるママ達へのアドバイスを提言するある人からこんな言葉を聞かされて「ハッ」としました。それは、ケアに従事している人こそ、いちばんケアが必要なのだ、ということです。セルフケアといいかえてもいいらしいのですが、他人のお世話をするには確固とした自己肯定感が必要なのだそうです。けれど、長時間、無償で人の世話ばかりして自分のケアがおろそかになると、ニーズのないケアを他者にしがちで、最悪の状態になると、ケアのおしつけとなる。揚句、ケアする側、される側に歪んだ依存関係が生じてしまうというのです。

 

自信と誇りを持って介護を選択できる世の中にしていくにはどうしたらいいだろうか?


前回、介護に従事するスタッフの働く満足を高めるための策として、何よりもまず賃金水準を上げることを書きましたが、本質的な問題として「働く喜び」を呼びさますモチベーションがなければ、続かないと言う問題もあるのではないでしょうか。誰しも「世のため、人のために役に立ちたい」という気持ちはあるはずです。20代の多くが「社会に貢献したい」と言います。でも決して介護は選ばない。それはなぜか。

 

介護や看護に携わる人が疲弊しないで働き続けられる手立てはないのだろうか?あるいは、「世のため人のために貢献したい」と考える人らが、社会的貢献度の高い職種として自信と誇りを持って介護を選択できる世の中にしていくにはどうしたらいいだろうか?

 

ミャンマーから帰国した私はここ最近、こうした自問自答が続いています。正解も答えも見出せません。ただ、ケアに携わる人のバイブルと呼ばれる、ミルトン・メイヤロフの『ケアの本質』に手が伸びたのは必然かもしれません。私が御託を並べるよりも、私がまだ気づけていない本質が隠されているような気がするので、胸に響いた言葉をランダムに引用してみます。

 

介護の仕事が従事する者自身の「深い喜び」となるためには・・・


「一人の人格をケアするとは、最も深い意味で、その人が成長すること、自己実現をすることをたすけることである。」

「私は他者を自分自身の延長と感じ考える。また、独立したものとして、成長する欲求を持っているものとして感じ考える。さらに私は、他者の発展が自分の幸福感と結びついていると感じつつ考える。そして、私自身が他者の成長のために必要とされていることを感じとる。私は他者の成長が持つ方向に導かれて、肯定的に、そして他者の必要に応じて専心的に応答する。」

「私は補充関係にある対象を見い出し、その成長をたすけていくことをとおして、私は自己の生の意味を発見し創造していく。そして補充関係にある対象をケアすることにおいて、”場の中にいる”ことにおいて、私は私の生の意味を十全に生きるのである」

 

「自らを”発見する”人が、自らを”創造する”ことについても大いに力をつくしたと同様なやり方で、私たちは自分たちの場を発見し、つくり出していくのである」

「”場の中にいる”感じは、全く主観的であるというものではなく、また単なる感じでもない。なんとなればその感じはこの世界で他の人にかかわっていることを表しているからである。場は個人の所有物であるかのごとくに、私が所有しているこのではない。むしろ私は、他の人にかかわっている、そのあり方ゆえに”場の中にいる”といえるのである。また、この場は絶えず新しくなっていき、そのつど再認識されるのである」

「私たちは自分自身をケアしなければならない。なぜなら、自分自身の成長の欲求に応えられないような人は、決して”場の中にいる”ことが出来ないからである」
メイヤロフはこの本の中で、ケアリングにおいて、ケアする人は「他者を尊厳のあるかけがえのないひとりとして感じる」ことを述べています。そのうえで、「他者が自分を必要とし、それに応えることで、その他者が成長すること」が、自分の喜びであるというのです。
ミャンマーで出会った学生の多くは、「日本に行きたい」と目を輝かせていました。介護携わるものにとって、介護の仕事が従事する者自身の「深い喜び」にならなければ、彼らの目はやがて失望で曇ってしまう。そうならない方法を私は考え続けたいと思っています。

 

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