2016.09.30

 

 命題解決のためのさまざまな策


先日、UIターンを促進したい委員会の一員として定例会に出席しました。大学入学で新潟を離れ、県外で就職した若手人材をいかにUIターンしてもらえるか。この命題解決のためにさまざまな策を練り、市町村は奨学金制度や転職の際に必要になる視察金や引っ越し資金の援助に積極的です。ところがどうもこの施策側の思いが肝心の対象者に響いていないようなのです。叩く者だけに開かれた情報といいますか、広報が行き届かないもどかしさもありますが、母数の大きさ、マーケット事情がとかく優先されることも問題視されるべきではないでしょうか。

そのひとつに視察費用や引っ越し資金の援助のオファータイミングが新卒採用時に偏っていることが気になります。実は一度他県へ行った若手人材がUIターンを考え始めるタイミングは30代半ばから40代に集中しています。そのきっかけのほとんどが親の介護や地元の事業継承の問題なのです。

自発的な「地元に帰りたいな」という動機が転職理由となることは極めて稀です。そもそも優秀な学生は大学進学の際、教師や両親から東京や新潟以外の大学を薦められ、猛勉強して合格した暁には他県へ出いきます。親の立場で考えれば「せっかく高いお金を払って東京の大学まで行かせたのに新卒で新潟に戻ってくるなら大学も地元の大学でよかったのではないか」と思うものではないでしょうか。ましてや期待されて東京に進学した生徒が新卒で地元転職を選択することは現実的に考えにくい。

親のためにUIターンを希望して転職相談におみえなる方の中でさえも親の反対で転職を思いとどまる方も少なくないのです。また最近、「嫁ブロック」という言葉を耳にするようになりました。夫の転職に際し、妻の反対で転職が見送りになるケースです。嫁が反対する3大要素に「知名度の低い会社への転職(大手企業からベンチャー企業へ)」「給与が下がる」「地方転職」があります。自分の意志だけではどうにも立ち行かない家族への説得が大きなネックとなっているのです。

 

受け容れる企業がこれまでの体制を疑い、あらたな態勢を検討するフェーズ


地方への視察や引っ越し資金を必要としているのは新卒採用時ではなく、やはりこうした転職組みだと私は確信します。UIターン希望者のニーズに寄り添い、支援のタイミングを見直すことで希望者が少しでも増えることを願うばかりです。

UIターンを思いとどまる原因のほとんどが「地元に帰ってもどうせ仕事はないだろう」という根強い思い込みによるものです。ハローワークなどで職探しをすると、自分の経験を活かせる求人にまずお目にかかれないという声をよく聞きます。先日お伝えした上越市の取り組み(中学生に職場体験をさせる)のように早い時期から地元愛の醸成をすることも大切ですが、一方で受け容れる企業がこれまでの体制を疑い、あらたな態勢を検討するフェーズになっているとつくづく思います。

 

UIターン転職に関しては地元の支援やエージェントのサポートよりも友人知人の紹介のほうが頼りになるというのはエージェントとしては耳の痛い現実です。確かに企業の補欠要因の求人とUIターン希望者のニーズがマッチすることは非常にまれであり、すべてが希望通りという恵まれた転職は千載一遇の確率といってもいいかもしれません。たいていの場合、求人票の条件に希望者が譲歩していくケースがほとんどです。

 

優秀な人材はこちらから迎えに行く、くらいの気概が企業側にも必要な時代


実は先日、これとは真逆の方法でキャリア入社を果たせた事例がありました。

都心の大手金融機関で長年運用を手掛けてきた方がUターン転職を希望されていました。案の定、彼のキャリアを活かせる求人はどこを探してもありません。

ところがある日、異業種の企業オーナーと会食をした際、たまたま「優秀な人材ほどキャリアを活かせる場所や相応しいポジションに恵まれないのですよ。もったいないことです」と私が話したところ、非常に興味を持たれ、「そんなに優秀な人材ならば、ポジションを新たにつくって雇いたい」と仰ってくださったのです。

まったく異業界とはいえ、新規事業の立ち上げを控えており、運営を任せられる人材がいれば経営陣にとっても鬼に金棒とばかりに、即刻オーナー自ら人事責任者に話を通し、採用枠を新たに設けてくれたのです。すぐに社長面接に進み、双方満足のいくUターン転職が実現したというわけです。

たまたま決裁者と直に話ができたからスムーズでしたが、この経験から感じたことは企業の採用担当者の方にぜひとも発想の転換を望みたいということです。求人票がないからといって目の前にいる優秀な人材を見過ごしてしまうのは大いなる機会損失といえないでしょうか。ときには人ありきで採用ポジションを設けるくらいの覚悟がなければ他県から優秀な人材を取り込むのは難しいと言えます。

経営層と人事がコミットしている企業ほど、架空のポートフォリオに頼るのではなく人ありきで臨機応変に機会創造を計り、スピーディに採用決断をされます。人材確保の好機は待っているだけではだめだという視点。優秀な人材はこちらから迎えに行く、くらいの気概が企業側にも必要な時代になってきたといえそうです。

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