2017.06.23

空前の売り手市場が続いています。

新入社員に支払われる給与はいってみれば「期待料」です。


『若者はなぜ3年以内に辞めるのか』という新書がベストセラーになったのは今から11年前のこと。時の流れの速さに唖然とします。「第二新卒採用」というフレーズもその頃登場し、ずいぶんと流行りました。確か、当時もいまと同じような売り手市場で、思い返せば、リーマンショック前の一種の「躁」状態だったかもしれません。

採用する企業側も新卒採用で十分に採用できなかった優秀な若手人材をポテンシャル採用という耳触りのいいフレーズで再度、募集できることにメリットを見出していました。求職者である若者も「リベンジ転職」と称して、新卒採用で果たせなかった第一希望の企業に再挑戦できる恩恵を享受していました。

かつての「第二新卒」ほどではありませんが、ここにきて1~2年で会社を辞めて転職相談にくる若手が増えています。最近感じることは、以前よりもさらに「高学歴」な若手ほど、あっさり会社を見限ることです。

転職動機のほとんどが「勉強してきたことが活かせない」「やりたい仕事じゃなかった」「思っていた仕事と違う」というもの。気持ちはわかるのですが、あえて苦言を呈するなら、1~2年ではその適性すらも判断しかねるというのが私の本音です。

個人の都合があるように、会社にも都合はあります。会社側の都合に立って話をするなら、新卒採用者の適性をOJTという名の現場研修によって見究めるにもそれなりの時間がかかります。その間の時間とコストは企業にとっての投資であり、新入社員に支払われる給与はいってみれば「期待料」です。

『置かれた場所で咲きなさい』というベストセラーは多くの人に支持されました。一方で、「咲けない場所なら、そこで腐るべきではない。一刻も早く見限って新天地を探すべき」というごもっともな主張もありました。

一概には言えませんが、たとえ見限る結果になっても、私はせめて3年は我慢してほしいと助言するクチです。

なぜなら、「勉強してきたことが活かせるかどうか」1~2年では判断つかないと思うからです。そもそも、あなたがいま辞めたいと思っている会社は就職活動では「自分のやりたいことができるはずだ」「勉強してきたことが活かせるはずだ」という期待値のもとに選んだ企業だったはずではありませんか?

 

「働くことの本質」について思いを馳せて欲しい。


さらに最近は、ワークライフバランスを重視する傾向にあり、残業の多い会社はとかく「ブラック企業」だと疎まれます。

ある工場の管理職候補として採用された理系出身の男性が転職相談に来てこんな一言を漏らしました。

「残業が多く、夜も電話がかかってくるのが耐えられない。このままこんなブラック企業にいても自分の専門知識がいかされない」

ブラック企業、と彼は言いましたが、残業代はきちんと支給されています。

やりたいこと、活かしたい知識。研究者としての自負がある人ほど、仕事の業務内容が大学院時代の自分の専攻との関連性にこだわるようです。それでも研究者としての道に進むのではではなく、就職を選んだのは経済的な自立のためだと言います。さらにこれまでの経験を活かしてキャリアアップ転職をしたいとのご希望。

 

小言をいうようで気が引けますが、あえて言います。

お金を稼ぐということはそんなに甘いことではありません。まずは目の前のお客さまに求められる製品、サービスを提供しないとお金をいただけない。自分がやりたいかどうか、自分の知識専攻が活かされるかどうかのその前に、「働くことの本質」について思いを馳せて欲しいのです。

もちろん、ブラック企業を推奨するつもりは毛頭ありませんが、残業はなくて当たり前という風潮に流されて、自己都合だけを主張する人が最近とみに増えているような気がします。残業をせずに定時に帰りたいなら、時間内にお客様を納得させる製品なり、サービスを提供する努力をしたかどうか。まず自問してほしいのです。

夜に電話がかかってくるというのは客先に不安材料があるからでしょう。先手を打って安心材料を提供する、ホウレンソウを徹底して、プロセス共有をしっかりフォローするなどして、自ら改善する手立てもあるはずです。

 

いまあなたが置かれている場所を見つめ直してみて下さい。それからでも決して遅くないはずです。


現在は売り手市場ですから1~2年の職務経験でも「第二新卒」採用の門戸は開かれています。辞めてもすぐに次がみつかるだろう、と根拠のない自信を抱く人が少なくない。

ですが、第二新卒採用でよく言われる「ポテンシャル採用」とは残念ながら、あなたの適性や潜在能力を公平にジャッジするものではありません。

採用する企業が見ているのは大学時代の研究と最終学歴。つまり、新卒採用をもう一度繰り返すことにほかなりません。本当の適性を見極めるためのOJTをもう一度ゼロからはじめることを意味します。

大学院を卒業後、概算で6年も適性判断のためのアイドリング期間を費やすことになりかねません。自分のやりたい仕事に就くまでのモラトリアムと捉えるにはずいぶんもったいない話だと思いませんか。

実はリーマンショック以前に「第二新卒」転職を果たした人のほとんどがまた3年以内に辞めてしまった、という事実もあるのです。この定着率の低さは「同じことを繰り返す」人の習性と判断される一方で、当時「第二新卒採用」をあおった人材紹介事業会社側の責任でもあるのではないか、と問題視されているほどです。転職を繰りかえすジョブホッパーは自ら生涯年収を低くしているという残酷な現実もあります。

「すぐにもっといい会社がみつかるだろう」という楽観や勢いで辞めてしまう前に、もう一度、いまあなたが置かれている場所を見つめ直してみて下さい。それからでも決して遅くないはずです。

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