UIターン転職を考え始めた方へ 会社を辞める、その前に……。エージェントとして最初にアドバイスできること
新潟で人材紹介業をスタートして、おかげさまで今年、5年目を迎えました。
数多くの転職希望者とお話をして、転職成功を導いてきた過程で地方エージェントだからこそできるアドバイスがあることに気づきました。クライアントやご登録者からの対話を通じて得た日々の気づきをこれから少しずつ、ブログで発信していきたいと考えています。
UI転職者に見る3つのパターン
第一回の今日はUIターン転職を考え始めた方が抱える共通項についてです。これまでの経験則としてUI転職を希望される方には大きく分けて3つのパターンが考えられます。
1) 現在の職場の環境、給与、待遇に不満がある
2) 配偶者の転勤または両親の介護の必要に迫られて
3) キャリアチェンジを求めて
最初にアドバイスしたいのは1~3のいずれの場合でも「転職をすると決めたからと言って次の職場を見つける前に会社を辞めてはいけない」ということです。仕事を続けながらスムーズな転職活動をサポートすることが我々エージェントの役割だから、ということも理由のひとつですが、私が「すぐに辞めないほうがいい」とアドバイスするには3種3様の理由があります。
環境、給与、待遇に不満
まず、「現在の職場の環境、給与、待遇に不満がある」方の場合。今「辞めたい」と考えている職場はかつてあなたが「入りたい」と強く望んで晴れて入社できた会社です。初心を思い出して、一体何が原因で自分はいまの環境が嫌になったのか洗い出しをすることをお薦めしています。
上司とうまくいかない、同僚の士気が低い、業績不振で不安、など様々な要因が挙げられるでしょうが、突き詰めていくと「自分が思う以上に評価されていない、つまり待遇面・給与面での不満」に行きつく場合が多いのです。
こういう場合、私は同業他社へ転職した場合と地元に帰る転職を選んだ場合の給与水準や条件をお知らせすることにしています。すると、ご自分が思う以上に恵まれていることに気づき、転職を思いとどまる方も少なくありません。転職をする際、給与、ポジジョン、条件は「市場動向」によって大きく左右されます。受けたい会社と求人がマッチするか。転職においては市場の中で客観的に自分をみつめる作業が求められます。
複数社受けてみた結果、オファーされる条件が現在の職場よりも悪い現実に引き戻されて「転職をしない」という選択をされる方も少なくありません。よく誤解されるのですが、エージェントは無理に転職をすすめる機関ではありません。「転職をしないほうがいい」というアドバイスをすることもまたエージェントの役割のひとつだと考えます。
転職活動を通じて自分が案外恵まれた環境にいることを発見した方は、周囲の評価や今のポジションに手ごたえが感じられなかった原因について探ってみることでネガティブな不満を働くモチベーションに転化し、その結果、「現状の職場で給与アップを果たせました」という後日談が届くことも少なくないのです。
転職でゆとりある生活が得られるか?
また最近ではワークライフバランスを重視したいので「私生活にゆとり」を求めて転職を考える方も増えてきました。地方転職をすれば、思い描く「ゆとり」が手に入るのでは、という先入観があるのかもしれません。
地元へUターンすることが後ろ向きな動機に基づいている場合、私達は「もったいないですよ」とお伝えしています。なぜなら転職によってスキルの転化ができても、これまであなたが会社で積み上げてきた評価や人間的な魅力によって獲得したネットワークなどは換算することが難しい「価値」です。その価値がゼロリセットになってしまうからです。
ゆとりを求める心境から透けて見えるのは業務負荷でしょう。しかし、見方を変えれば業務が増えたことで感じる疲弊感は周囲からのあなたへの期待値が大きくなっている証だと考えることもできます。業務改善によってもっと生産性を高める方法がみつかれば、会社への貢献度も高まりますし、さらなるキャリアアップにつながることもあるかもしれません。
転職を考え始めるタイミングとはいまの環境を「嫌」だと思う原因に向き合えるチャンスでもあります。こうしたアドバイスすることもエージェントの選択肢のひとつなのです。
*次回は「配偶者の転勤または両親の介護の必要に迫られて」の場合です。
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