UIターン転職を考え始めた方へ 会社を辞める、その前に……。エージェントとして最初にアドバイスできること
前回に続き、UIターン転職を考えはじめる方の3つのパターンのひとつ
「両親の介護の必要に迫られて」「配偶者の転勤」という場合についてです。
「両親の介護にせまられて」UIターン転職する場合
少子高齢化社会が抱える課題として「介護」は避けられないテーマですひとりっこが増えているご時世を象徴するように「息子介護」なる言葉もよく聞くようになりました。
極めて深刻なのは「介護離職」です。年老いた両親の近隣に暮らして遠巻きに見守ることができれば仕事と介護の両立の目途も立てられますが、両親が地方に暮らしている場合、自分達の住む都心部に引き取るには経済的な余裕がないと難しいため、両親のいる地元にUIターンして職を探すことになるケースがやはり多い。
住む場所を考慮しながらキャリアスライドできるよう、可能な限りの選択肢を提案したいと考えておりますので、ぜひご相談いただきたいですね。時々、介護に専念するために仕事を辞めてしまう方がいますが、様々なケースを見てきた経験則から「仕事は辞めてはいけない」とあえてアナウンスしたいです。まず、精神的にも経済的にも追いつめられてしまうケースが少なくないからです。
親の人生とご自身のキャリア人生は別のもの。ひとりで抱え込むのではなく、地元のケアマネージャーや相談所を上手に活用してチームで介護していくような心持ちで取り組むことをお勧めします。最初に相談に行った先の担当者が意地悪だったり、アタリが悪かったりして「ほとほと懲りた」という残念な話を聞くことも少なくありませんが、利用支援相談所を根気よく探せばチカラになってくれる施設や機関はあるはずです。
まだまだ不安の多い介護離職
介護を理由に離職することに私が反対するのは復職がより困難になるからです。介護期間、休職していたブランクをポジティブに解釈してくれる企業はまだまだ少ないのが現実です。こうした現実問題を踏まえて、離職して介護が一段落した段階で新たに働く場所を探すことは転職先を探すよりも難しいということをお伝えしたいです。
平成24年度厚生労働省委託調査:三菱UFJリサーチ&コンサルティング「平成24年度 仕事と介護の両立に関する実態把握のための調査研究事業報告書
によれば、就労者の約8割が「介護に不安を感じている」そうです。
もしもあなたが「いつかはUターンしたい」という漠然とした希望をお持ちであれば、ご両親がご健在のうちにライフプランのシミュレーションをすることをお勧めします。親が60歳になった時、70歳になったとき、80歳になったときの状況とご自身のキャリアプラン、子どもの就学事情、住宅ローンなどを照らし合わせてみることです。ライフプランに基づいた試算シミュレーションについてはまた機会をみて詳しくお伝えしていきたいと考えています。
次に「配偶者の転勤」の場合です。
配偶者が突然の転勤を言い渡された場合。大きな課題は子どもの就学事情とパートナーの転職でしょう。とくに後者の場合、「転職先に求人がないはずだ」という思い込みが少なくないようです。ここで声を大にして申し上げたいのは「求人はあります!探す前に諦めないでください!」ということです。地方企業の求人はいわゆる首都圏型の求人サイトに公開されるケースがまだまだ少ないため、「地方には求人がない」という思わぬ誤解があるようです。
新潟に限って申し上げるなら、常時70社以上の優良企業が募集をしています。諦める前に、ぜひ私達にご相談ください。余談ですが、新潟の土地柄のせいでしょうか。新潟に転勤になった妻に伴い、夫が転職して共に帰郷するというケースも少なくないのです。おいおい、この辺りの新潟事情の特例に関してもお伝えしていきます。
次回はキャリアチェンジを求めて転職を考える方へのアドバイスです。
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