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2017.04.10

こんにちは。新潟絆エージェントの小川潤也です。桜の開花宣言を待ちながら新年度が始まるこの季節は、毎年恒例とはいえ、心躍るものがあります。また、この時期は人事異動の発令のタイミングが重なるため、心穏やかにいられない人も少なくないでしょう。

組織全体が既存社員の能力を活かす努力をしなければ、企業が成長できない


求人数は堅調。売り手市場はしばらく続きそうですが、採用環境に目を向けてみると「最近、ちょっと変ったな」と思うことがあります。今日はそのことについて書いてみます。

人事異動のタイミングで「とりあえず転職を考えはじめる」という人が毎年、少なからずいました。それが、ここ数年、減少傾向にあるのです。

転職希望者の意識の変化と捉えることもできますが、むしろ企業のシフトチェンジによるものではないかと感じています。退職者が出たから、新しい人を採用する。つまり、補填するために新たに中途採用するよりは新卒で採用した優秀な人材の流出を防ぐ方向へと経営の舵きりをした。なぜかといえば、組織全体が既存社員の能力を活かす努力をしなければ、企業が成長できないと気づいたからではないかと思うのです。

今いる人材を活かしたほうがコストも手間も削減できるという背景があるにせよ、この兆候は転職エージェントとしては負と考える向きもあるかもしれませんが、世の中全体という視点で俯瞰してみれば、このシフトチェンジはむしろ喜ばしいことだと私は考えています。

 

転職の目的が明確な人にのみ門戸が開かれている


マッキンゼー的人材獲得・育成競争として古典的名著と言われている『War For Talent』 を引用するまでもなく、人材の獲得競争に勝つためには外に目を向けるばかりでなく、自社の優秀な人材の流出を防ぐために経営者が「彼らがい続けたいと感じる機会の創出」をすべきだ、という観点があります。多くの経営者がこの重要性に気づきはじめたように思えるのです。

とはいえ、即戦力となる中途採用のニーズは相変わらず堅調です。そこで何が生じるかといえば、中途採用される側の基準が以前に増して厳しくなっているということにほかなりません。「いい仕事があれば転職したい」といった漠然とした転職動機ではまず、難しい。

なぜ転職するのか。転職することで、どういう仕事ができるのか。やりたいこと、その目的が明確な人にのみ門戸が開かれているという状況なのです。加えて、自分の技術やスキルを把握している(できることとできないことがクリア)ことが重要になっています。

 

転職者の意識の変化を頼もしく感じる


ちなみに下記のような経験をお持ちの方は即戦力として重宝される人材といえます。

・新規プロジェクトをゼロから立ち上げた実務経験のある人

・プロジェクトの起案、推進、実践責任者

・マネジメント経験者

・IPOの実務経験者

・海外拠点(支社)の立ちあげ経験者

 

こうした自分なりの成功体験を経験した人をみていますと、転職動機にも共通点があることに気づきます。主な転職動機としてあがるキーワードは

「もっと責任のある、大きな仕事がしたい」「経営ボードメンバーとして挑戦したい」「プロジェクトリーダーとしてもっと裁量権限のある仕事がしたい」などであり、概して川上から川下まで自己裁量で経験することのできる仕事を望む傾向が強いことが特徴です。

大企業の一セクションでルーティンをこなすよりも中堅中小で業務全体を俯瞰し、一貫した経験を積めるチャンスのほうにキャリアとしての価値を見出す傾向がここにきて強まっています。この背景には大手企業が、もはやかつてのような「安定・安心」の象徴でなくなっていることの影響も大きいでしょう。

 

この傾向は専門職の領域でも顕著です。建築、設計、施工管理、土木管理、電気工事管理などのプロフェッショナルが大手ゼネコンでルーティン業務に甘んじるよりもプロジェクトの全容を統括できるフィールドを求めて転職を希望するケースが増えているのです。これは所属する会社の大小よりも自分自身のキャリアのスケールメリットを優先する意識の変化にほかなりません。「寄らば大樹の陰」という指向は過去のものとなり、規模のいかんにかかわらず、もっとイノベーティブな仕事をしたい、という意識の変化の表れだといえます。

 

終身雇用、年功序列が定石だった一時代前と比べると、隔世の感がありますが、転職者の意識の変化を頼もしく感じる今日この頃です。

2017.03.10

こんにちは。新潟絆エージェントの小川潤也です。

 

未来のために新潟のいいところをもっと発信するべき。


最近、「未来のためのインバウンド」という言葉に目が留まりました。『自遊人』という雑誌の編集長である岩佐十良さんのインタビュー記事です。

岩佐さんという方は雑誌の編集者でありながら、おいしいお米を探して販売するうちに新潟の南魚沼に移住することになったり、その地で「里山十帖」という宿泊施設を経営することになったり、となかなかユニークな経歴の持ち主です。

その記事の中で岩佐さんは「いつまでも新潟はおいしいお米とお酒だけで勝負している場合じゃない」というようなことを仰っていました。

新潟がなかなか世界に目を向けず、自県のみで通用する共通言語だけで満足している現状について、こんな分析が続きます。

新潟は京都に次いで全国第12位の経済規模を持つそこそこの地方都市であるがゆえにそれほど困っていない。だから地方創生だとか、東京オリンピックに向けてのインバウンドだとかいわれてもさほどモチベーションが湧かない。

でも、これからはそれではだめなんだと岩佐さんは言うのです。

未来のために新潟のいいところをもっと発信して海外の人を呼んでこないとだめだ、と。

 

貴重なリソースを惜しげもなく教授することで、トータルで事業を大きくしていく。


以前、私もこのブログで何度かインバウンドに目を向ける必要性や新潟特有の内向きなもてなし下手について書いてきたので、まさに膝を打つ思いがしました。同時に、東京から新潟に移住してきた方だから、こういうものの見方ができるのかな、とも思いました。岩佐さんの記事を読んで、すぐに連想したのはカーブドッチです。

実は去年の暮れに、カーブドッチが経営するヴィネスパに宿泊したからです。来期の事業計画書をつくるために、じっくり内省する時間を確保するために、

あえて一人で訪れました。

 

昼間は部屋にこもって事業計画と向き合い、アイデアに煮詰まると温泉につかってリフレツシュ。夜はおいしいワインをいただきながら、和食のコースを堪能。赤も白どちらもおいしいのですが、特に白が好みでした。カーブドッチの新潟産シャルドネ、を味わい、「なんておいしいんだろう」と心から寛ぐ。

心地よい空間で快適な気分に満たされ、至福の時間を過ごせたことは私に底知れない活力をもたらしてくれました。

 

カーブドッチはいまでこそ全国からワイン好きが集う大人のための宿泊施設として有名ですが、創業当時、新潟にやってきた頃、地元の人々の反応は決して好意的ではなく、冷ややかだったことを覚えています。

カーブドッチの成功はなんといっても「ブドウ苗のオーナー制度」でしょう。いまでいうクラウドファンディングの走りだったと思います。そのアイデアでまたたくまに出資者とファンを増やしました。このように事業資金を確保した先見の明もさることながら、ワイナリーオーナーを養成するためのスクールを開き、人材を育成したことも事業の発展に大きく貢献しました。希望者には自社の近隣にワイナリーを開かせるという度量の大きさに改めて感心します。

 

いいワイナリーのつくり方は、いってみれば企業秘密ともいえるナレッジです。その貴重なリソースを惜しげもなく教授することで仲間を増やし、トータルで事業を大きくしていく。新潟市の駅南や駅前のレストラン経営や、こだわりのチーズやソーセージなどの通販など新しいことをやり続けることで、新潟以外から火がつき、人気が人気を呼び、さらにどんどん新しい人が集まってくるというハッピースパイラルが生み出されたというわけです。

 

数字だけではない+αの大切さ。


経営者の立場では、いかに効率的に生産性をあげられるか、シビアに数字と向き合うことが常に求められますが、カーブドッチのビジネスモデルを思う時、やはり数字だけではない+αの大切さを痛感せずにはいられません。

先に挙げた『自遊人』の岩佐さんも数字のたいせつさを説く一方で、それだけではだめで、数字だけではない「たのしい、美味しい、快適をもっと増やしたい」と仰っていました。その思いが新たな「場」を追求する原動力になるのだとか。

 

「たのしい、美味しい、快適」から生まれるワクワクした気持ち。数値化するのが難しいですが、楽しそうな人のところに人は集まるとはよくいったもので、こうした感情指数とでもいうべき感度の高さは実は言葉を超えた世界共通の感覚です。未来のためのインバウンドを読み解くヒントは、まさにこのキーワードに集約されているのかもしれません。

 

ヴィネスパで過ごし、私が感じた「たのしい、美味しい、気持ちいい」。

この時のいい気分の「エントロピー」が事業計画にいい影響を与えることを願うばかりです。数字目標だけを追いかけて、難しい顔をしている経営者の元で働くなんて、部下も楽しくないはずですから(笑)。

2017.02.10

こんにちは。新潟絆エージェントの小川潤也です。

閑散としていく移り変わる街に活気を取り戻すため、行政をあげての奮闘


今日は久しぶりに古町に行った時に感じたことを書いていきます。パスポートの更新のために訪れたNEXT 21。ラフォーレ原宿新潟が撤退して以降、テナントの空きが目立つようになったことは噂で聞いていましたが、その変貌ぶりに、さまざまなことが去来しました。新潟市都心部に位置する古町は金融街や大学病院や弁護士事務所、会計事務所が隣接することから、かつてはいわゆる「士族」がアフターファイブに集う繁華街でした。ラフォーレ原宿新潟や上階にあった飲食店や高級会員制倶楽部エスカイヤクラブなどは私が高校生だった1990年代はかなり賑わっていたようです。ところが先日訪れた時に感じた街の雰囲気はどちらかといえば、閑散とした印象が否めませんでした。かつては洋品店や靴屋などバラエティ豊かな小売店があった西堀地下のショッピングモールは介護センターや高齢者向けのフィットネスセンターが立ち並び、シャッターが閉ざされたままの店舗も少なくありません。道行く人の割合も圧倒的におじいさん、おばさんが多くなっていて、高齢化社会の縮図を見るようで、どこか、もの悲しい気持ちになりましたが、こうした現状を何とかしようと、かつての活気を取り戻すために行政をあげて奮闘しているようです。

 

「街は移り変わるもの」だと頭ではわかっていても、かつての賑わいを知っているだけに、無常を目の当たりにして、うつろな気持ちを引きずったまま帰宅することになりました。その日は一日、何となく気分が晴れず、iPadに「古町」「NEXT 21」と入力検索しては、しばらくネットサーフィンで時間を費やしてしまいました。

ラフォーレ原宿撤退後のNEXT21については既にいろいろな方がさまざまなことを語っておられました。なかでも2015年7月にビル運用会社が発表した構想案(地下1階から2階までを県産生鮮食品等の販売店、3・4階を「文化系テナント」「若手起業家の交流の場」とする)を報じたことに対してあるブロガーさんが「ラフォーレ撤退でNEXT21が意識高い系ビルに? 」という見出しをつけた記事をみつけたときはさすがに笑ってしまいました。と同時にそれとは対照的にイオンモールは意識低い系と呼ばれていることを知り、なぜか見逃せないひっかかりを感じたのです。

大規模小売店舗法の改正以後、変わりゆく消費動向


大規模小売店舗法の改正以後、郊外にできたイオンはラフォーレ撤退の引き金になったともされる大型ショッピングモールです。豊富な揃えとお得感のある価格帯に加え、駐車場無料も魅力となったのか、競合といわれた大手百貨店(駐車場有料)でさえ、太刀打ちできない集客力を数年間で獲得していきました。私はその移り変わりをリアルタイムで見てきました。わが家の子どもも車でイオンに出かけるのが大好きなので、ほどなく休日の買い物の定番コースと化していきましたが、実は私個人、どこか腑に落ちない違和感を覚えていたのも事実です。そのせいか、理由もなく、「イオンにあってラフォーレ原宿にないもの」は何なのか、をモヤモヤと考えてました。

1994年のグランド-プンの際、ラフォーレ原宿が新潟にやって来ると知った新潟県民は「東京の原宿に行かないと買えないモノが新潟でも買える」と大いに喜びました。ラフォーレ原宿が古町のNEXT21の象徴であるころはまだ、「人とは違ったものが欲しい」「エッジの立った個性的でおしゃれな、希少価値のあるものが欲しい」という消費動向がいまより色濃かったように記憶しています。

一方のイオンは真逆です。いいものを安く、大量に。誰もが同質のサービスを受けられる均一化された世界観。喩えるなら、年収や職種や企業ブランドから生じる差違や格差をなかったことにできる、匿名無菌スペース。

確かにそこは家族や高齢者にとってフレンドリーな公共空間であることは間違いないのですが、うがった見方をすればあの居心地のよさは悪目立ちするとすることを嫌う同調圧力や相互監視の行き届いた場であることが前提になっている、と解釈することもできます。

 

 転職を通じてより豊かな選択肢を手に入れたいのであれば、たくさんの経験を積み成長する機会があるか確かめるべき


先回マイルドヤンキーのことをブログに書きました。ちなみにマイルドヤンキーは「意識低い系」と呼ばれ、「イオンを好む」そうなのです。実際にどうかはさておき、切磋琢磨とは無縁のゆるやかなワークライフバランスを好み、「頑張っている奴は格好悪い」と頑張らないことを大義名分とする仲間とのつながりを好む傾向にあると識者の指摘は続きます。それを読んで思わず、「なるほどなあ」と声が出ていました。なぜなら、イオンに行くたびに私が感じる違和感が腑に落ちた瞬間でもあったからです。(断っておきますが、イオンを否定しているわけでは決してありません。)

意識高い系と意識低い系。ラフォーレ原宿とイオン。このふたつが象徴する何か。それを転職に当てはめてみますと、「ほどほど」「そこそこ」をよしとする居心地のよい職場を選ぶことはある意味、自分の成長を自ら拒む環境に身をおくことにつながるのではないか。それを無化する横並び思想に対して、私は個人的にはせめて30代までは「横並びを強いる感覚」には危機感を持っていたほうがよいと考えます。最近は人より努力して仲間から抜きんでようとする人のことを「意識高い系」と揶揄して馬鹿にする傾向があるようです。確かに人とは違ったことや個性的であることは、むしろ時代遅れとみなす風潮があることも肌で感じますが、もしもあなたが転職相談をしたときに「私たちは意識低い系だから、そんなに頑張らなくてもいいよね」と仲良しごっこを強いる友人がいたなら、その人からは速やかに離れることをお勧めします。

実はUターン転職相談で「ルーティンで定時に帰宅できる仕事がしたい」という希望を出される若い人がここ最近増えているので、あえて警鐘を鳴らしたいのです。

 

判で押したように均一化されたルーティンをそつなくこなし、定時に帰る一年と、リスク覚悟で予測不能な環境に身を投じて経験を積む一年ではその後のキャリア人生に大きな差がつくということを知って欲しいのです。転職を通じてより豊かな選択肢を手に入れたいのであれば、提示される給与や条件以前に、その企業にはたくさんの経験を積める機会があるか、成長の機会があるかを確かめるべきです。常に同業他社の動向を比較検討し、定点観測することで大凡のことはイメージできると思います。

 

転職相談におみえなる若手の方が年々安定志向になっていることに対する、私のささやかな抵抗としてお読みいただければ幸いです。

 

2017.01.27

こんにちは。新潟絆エージェントの小川潤也です。

 

地方のネットワークを活用し、リスクをとって無競争市場に挑戦し、シェアを拡大している『ヤンキーの虎』たち。


遅ればせながら話題になった藤原英人さんの著書、『ヤンキーの虎』を面白く読みました。ざっくり言えば、ヤンキーの虎とはマイルドヤンキーを束ねる事業主のことであり、彼らが地方再生の担い手という論調で、地方へのエールとも読める内容でした。世代交代の進む地方豪族たちから熱狂的な感想が寄せられたという後日談も頷けます。
マイルドヤンキーとは博報堂マーケティング・アナリストの原田曜平さんが2014年に命名した概念であり、ご存知の方も多いでしょう。
上京志向が希薄で地縁血縁でつながる人間関係を愛し、地元から出たからない若者たちのこと。若者の消費離れが叫ばれる中、「スポーツカーはいらないけど、仲間と乗れるミニバンは最高」をはじめ、独特の消費傾向はこれからの日本経済の担い手とも言われており、「ヤンキーの虎」とはまさにこの世代を束ねる組頭のような存在です。独立型と世襲型に分類されるようですが、世代的には団塊ジュニア世代および、少しその上の世代に集中しています。

このブログでも何度も書いてきましたが、地方における事業承継は一筋縄ではいかないさまざまな課題を抱える現実問題です。その状況の中でヤンキーの虎たちは健闘し、なおかつ地方経済に貢献している猛者と言えるでしょう。興味深いのは成功しているヤンキーの虎たちにはある共通項があること。それは地方のネットワークを活用し、リスクをとって無競争市場に挑戦し、シェアを拡大しているという点です。

老舗の名にあぐらをかくのではなく、誰も挑戦していない新規事業やビジネスモデルを立ち上げ、その分野で業績を伸ばしていることが特徴といえるでしょう。かつてはスーパーだった店舗がいつの間にか卸業も宅配業もやり始めているとか、不動産ディーラーが売買仲介だけでなく、設計、建築、賃貸を含むワンストップサービスの事業転換に舵きりをするとか、消費者動向を読み、これまでありそうでなかった新規事業や新規業態の開拓を果敢に行っているのです。もちろん、その過程で淘汰されてしまう企業があるとはいえ、近年上場を視野に入れた快進撃を続ける企業も増えており、地方における独り勝ち企業も顕在化してきています。この短期集中型の成長を支えているのがマイルドヤンキー層です。マイルドヤンキーには「新保守派」という異名があるようですが、地元愛という大きな後ろ盾を得て、業務遂行を担い、事業の急成長を底支えしているのですから大いに期待したいところです。成長を実感できる環境や仕事のやりがいは地元愛をさらに強くするものなのかもしれません。勢いに乗ったこうした企業からは当然、一定のボリュームゾーンの求人が発生します。

 

地元へのUターン転職で発展途上中の企業を選択することをリスクと捉えるか、チャンスと捉えるか。


ところが、Uターン転職を考えはじめた方の多くが未だに「仕事がない」「求人がない」ということを理由に転職を断念するケースが後を絶ちません。残念ですが、求人ニーズが旺盛な地元の成長企業の求人票が目の前にあっても目に入らないのでしょう。「都落ちしない程度の会社レベルが希望です」という言葉に象徴されるように、会社選びの基準が「世間体」なってしまっているようです。
地元に帰りたいという本心よりも帰省先や身内に見栄を張りたいという気持ちが邪魔をする。その気持ちはわからないでもありません。大学卒業後、上京し新卒就職を果たした後で、やっぱり地元に帰りたいと思った時、おそらく誰かに相談するはずだからです。そのとき、10人中8~9人から「せっかく東京で就職したのに、もったいないよ」といわれるうちに、自分の人生の優先順位がわからなくなってしまう。そういう方が少なくない。「寄らば大樹の陰」という安定志向が強すぎるあまり、挑戦や成長などという未知数を自ら虐げてしまう傾向にあるといえるかもしれません。

巷で聞こえる「嫁ブロック」「親ブロック」による内定辞退の背景にも同様の心理が働いていると思われます。身内の反対が最も顕著に表れるのが大企業からベンチャー企業への転職だからです。大手、一流、一部上場。果たしてこうした評価はいつまで持続可能なのでしょうか。

「あの企業に就職すれば一生安泰」と言われた顔ぶれが並ぶTOPIXコア30社の株価指数を見れば明らかですが、いまの時代、もはや大企業でさえ、安心安泰の象徴ではありません。マイナス24%の内訳を参照すればおわかりのように、ソフトバンクのプラス15%を除外すれば、マイナス40%です。
地元へのUターン転職で発展途上中の企業を選択することをリスクと捉えるか、チャンスと捉えるか。人によってその捉え方はさまざまでしょう。では成長する環境に身をおくことがその後のキャリアにどんな影響をもたらすか。そのことを考えさせられる、ある事例を紹介して終わりたいと思います。

 

人生の優先順位を変えることで、見えてくる別の世界がある。


都心最大手企業のエンジニアがUターン転職をして、発展途上中の地方企業の管理職として採用された、Aさんのケースです。大手で通用する高い技術力を買われて採用されたものの、入社当初は「専門分野がニッチ過ぎて役に立たず、空回りする」日が続いたというのです。細分化された一事業部のスペシャリストの技術力よりも川上から川下まで全工程を俯瞰できる総責任者が重宝される地方企業。根強い地元コミュニティが色濃く残る企業でUターン帰京のAさんはちょっとした外様気分を味わったと言います。でもそのミスマッチに腐心することなく、それをきっかけに奮起されたのです。研修を受けるなど猛勉強し、より汎用性の高い技術力を取得し、その結果、統括責任者として抜擢されたとのこと。先日、わざわざ弊社に挨拶におみえになり、こんな言葉を残して帰られました。

「地方のほうがのんきに働けるという先入観がありましたが、大手企業で働いていたときよりも何倍ものチャレンジが必要でした。でも、そのことがこの歳になっても自分は成長できることに気づかせてくれたのです。仕事を通じて地元に恩返しができている実感があります。それが何よりもうれしいですね」

――人生の優先順位を変えることで、見えてくる別の世界があるのだなあ。
そんなことをAさんの言葉を聞いて、しみじみ思いました。

2016.11.11

こんにちは。新潟絆エージェントの小川潤也です。

 

経済の活性化には女性の活躍が不可欠


 

先日、社会学者であり京都大学大学院人間・環境学研究科准教授でもある柴田悠さんの講演に行ってきました。この日は「どうしたら経済が活性化するのか」という問題についてお話をされました。『子育て支援が日本を救う』というご著書にもあるように、ざっくりと結論を申し上げますと経済の活性化には女性の活躍が不可欠であり、女性が働きやすい環境をつくること、ひいては待機児童問題を解決すれば、この国のGDPは上昇するというものでした。

 

「待機児童は都市部だけの問題だ」という声も聞かれますが柴田先生によれば「地方から出てきた若い女性の能力を、国の税収に反映できていないという意味においては地方の犠牲が税収に反映されず、地方に還元されていないとのこと。それは地方にとっても「取られ損」となっていて、損失なのだと。よって日本全体にとって、待機児童問題は大きな損失という結論付けでした。

確かに地元新潟のことを振り返ってみれば、預ける場所が少ないせいで女性が仕事をセーブするしかないケースは少なくありません。

生涯年収が減少することが予測され、旦那の稼ぎだけでは食べていけない世帯も少なくないいま、共働きはデフォルトになりつつあります。かつて福井県は共働き率全国ナンバーワン、共働き世帯における貯蓄率ナンバーワンを長らく誇っていました。ところがその福井県でさえ、少子高齢化の影響でこの神話が崩れつつあるのだといいます。

実際、先に挙げた共働きを可能にしていたのは二世帯が同居することで実父母や義父母が子どもの面倒を引き受け、若い夫婦が共働きをするというインフラが成り立っていたおかげだというのです。

いまの若い夫婦は同居を嫌うため、子どもを預ける場所を持てず、その結果、妻のほうが仕事をセーブしなければならないという事態に陥っているとのこと。同居を嫌がるのはなにも若夫婦だけではなく、高齢出産が増えたいま、孫をあやす親世代も高齢化しているため、体力的に面倒見きれないというリアルな現実もあるようです。

保育は公共事業よりも投資効果大


 

女性の高学歴化が進めば、進学率があがり、それにともない地方から都心部への人口流出が増えることは自明の理です。女性が住み着かない都市は過疎化してしまう。経済活性化の鍵はやはり女性であり、つきつめれば、彼女たちが働きやすく、生きやすく、産みやすく、育てやすい環境の整備がなによりも優先すべき事項であることが浮き彫りになるというわけです。

 

またこの日聞いた「保育は公共事業よりも投資効果大」であるというフレーズには膝を打つ思いでした。新潟はこれまで土木建設の公共事業で栄えてきた歴史がありますが、人口減少が避けられない今こそ、道路や橋の増築よりも保育園に予算を注入するほうが未来への投資になるという観点は私も大賛成です。

 

さらに一度都市部へ流出した働き盛りの人々をどうしたら生まれ故郷へとUターンさせることができるかという話の展開となり、これが大変面白く、いろいろと考えさせられるものでした。

 

就職時に都心部へ出ていく人のほとんどが進学組です。一方で地元に残る人々のほとんどが親の事業を継ぐか、ブルーカラーに従事しています。地元貢献の名のもと、都心部に流出した人材に帰郷を促しても「仕事がない」という現実に直面してしまい、ますますよりつかなくなってしまうという悪循環が起きています。

 

生産人口となる若手を地方都市に呼び戻すための魅力やメリットが不可欠


 

事情があって地元での転職を考えた方が弊社の転職相談におみえになった際。よく言うのは「どうか、都落ち感のない仕事を探してください」という台詞です。Uターン転職に未だ都落ちのイメージを引きずる人が多いのはなんとも残念です。

生産人口となる若手を地方都市に呼び戻すためには呼び戻せるだけの魅力やメリットが不可欠とのこと。とはいえ、こうした魅力的な手立てが見つからない場合どうするか?

 

その場合、他県の人の流入を増やすという選択肢があることを教わりました。

かつて秋田の大潟村が過疎化せずに農業の地として栄え続けられた秘訣は他県を受け入れたことが大きかったと言います。他県からの新参者を受け入れることで人口を増やし、農業が代々引き継がれていったのだそうです。

この大潟村のエピソードは「おらが村」とばかりに他者を排除するような村社会は衰退の一途をたどる可能性を示唆しています。このような危機感を持ちつつも、ではどうすれば魅力的にアピールできるかという視点で流入モデルを考え、目指すべきではないか。そんなことを気づかせてくれた講演でした。

 

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