転職での個人情報漏洩リスクは?――転職活動中、勤務先にバレる可能性はある?
そもそも転職活動というのは、勤務先には言わずに水面下で実施するケースが大半ですが、在職中に転職活動を行なうときに心配なのが、個人情報の漏洩です。 今回の記事では、転職活動中であることを勤務先にバレる可能性はあるのか、そして個人情報の漏洩リスクについて解説しましょう。
目次
■転職活動中の個人情報漏洩の可能性は?
転職しようと考えるきっかけは人それぞれですが、在職中に転職活動を行なう人の大半が、現職には内緒で進めるもの。
退職後に転職活動を行なう場合、転職先が決定して入社するまでの期間は無収入となりますから、在職中に転職活動を進めたほうが安心です。
このような場合、勤務先に転職活動中であることがバレる可能性はあるのでしょうか?
可能性その1・会社のパソコンやメールアドレスからバレる!
会社から貸与されているパソコンやスマホから求人情報を調べたり転職サイトに登録したりする場合、会社にバレる可能性は大いにあります。
個人情報保護やプライバシー保護の観点から、セキュリティ対策に気を付ける企業は増えていますが、どの企業も対策が万全というわけではありません。
たとえば、総務担当者などが社員のパソコンの通信履歴をたどり、求人情報を調べていた事実に行き着くこともあるのです。
可能性その2)転職のスカウトサイトの情報から推察される!
求職者自身が転職の人材スカウトサービスを利用する際にも、個人情報が漏れる可能性があります。
たとえば、現職の勤務先もその人材スカウトサービスを利用しているという場合は要注意。
スカウトサービスの提供サイトごとに登録者情報の公開範囲は異なりますが、年齢や経歴などから「この求職者は、うちの社員かも?」と推察される可能性はゼロではありません。
実際、人材スカウトサービスを利用している勤務先の人事担当者が、社員が登録しているのを見つけてしまった、というケースもあるのです。
■驚きの情報漏洩事例!
ここで、実際にあった転職活動中の情報漏洩の事例をご紹介しましょう。
事例1・現職と転職先が懇意にしていてバレてしまったケース!
A社に在職中、転職活動を行なっていた男性(Xさん)の話です。
在職するA社の取引先の一つであるB社に応募書類を送ったところ、面接直前に同僚の社員から、「B社を受けるんだって?」と声をかけられてびっくり仰天。
不審に思ったXさんがその同僚にソースを尋ねてみると、この同僚はB社の営業部長と懇意にしていて、その部長から聞いたとのこと。
この部長に悪気はなかったかもしれませんが、あまりにも不快で応募先企業の管理体制にも不安が残り、Xさんは結局応募を辞退しました。
これは、セキュリティ意識の甘い企業だと往々にして起こりうることです。
事例2・リクルートキャリアの個人情報3万7千件流出事件!
「現職に転職活動中であることを知られたくない」という趣旨とはすこしズレますが、2015年12月に起こった事件を紹介しましょう。
リクルートキャリアが運営する会員制のハイクラス転職サイトで、そこに登録された約3万7000件の個人情報が、業務委託先の企業へ誤ってメール送信されてしまったのです。
氏名や住所、年齢などの基本情報から、現在の就職先や年収、希望業界や業種など、採用にまつわるあらゆるデータが全流出してしまったこの事件は、ニュースでも大きく報じられました。
勤務先にバレる以上に恐ろしい出来事ですが、かくも大きな流出が起こるのですから、個人情報漏洩というのはどこにでも起こりうる話といえるかもしれません。
■個人情報漏洩を防ぐポイントは?
転職活動の際には、転職サイト登録や中途採用広告からの応募、転職エージェントに登録して企業とマッチングしてもらうなどさまざまな方法があります。
いずれの場合にせよ、在職中の企業に転職中であることを知られないためには、どうすればいいのでしょうか?
・転職サイトや転職エージェント登録の数は最小限に!
人的ミスをゼロにするのは不可能であり、たくさんのサイトやエージェントに登録すれば、それだけ情報漏洩リスクは高まります。
そのため、情報漏洩が心配であれば、利用する転職エージェントは信頼できる2〜3社に絞ることをおすすめします。
◆まとめ
転職活動を成功させ、現職をスムーズに退職するためにも、勤務先にはバレないようにしたいところです。
不安があれば、転職エージェントに相談するというのもひとつの手。
プロの視点から、在職企業とトラブルにならないような転職活動の進め方をアドバイスしてくれるかもしれません。