転職面接、1回で内定!?――「スピード内定」に隠された企業側の思惑とは
転職活動では避けて通れない面接。 複数回の面接を実施してから内定というのが一般的な選考の流れですが、なかには1回の面接のみで内定が決まるケースも。 今回の記事では、そんなスピード内定を出す企業側の思惑を解説しましょう。
目次
■一般的な転職の面接回数とは
転職活動において、面接は基本的に必ず行なわれるものです。
もちろん会社の方針や職種、業界によって異なりますが、一般的には平均2〜3回の面接が行われています。
・複数回面接する理由
企業視点で考えれば、面接を実施する理由は、企業側と求職者側のミスマッチを防ぐためです。
面接もなく相互理解のないまま入社となると、「入社させたけれど、思っていた人物像と違った」ということもあり、結果的に早期離職につながる恐れもあります。
求職者側からすれば、面接がなければ会社の雰囲気を知ることができず、聞きたいことを聞くこともできません。
待遇や仕事内容が「聞いていたことと違う」と不満が募ってしまうケースも起こりうるでしょう。
■1回の面接で内定を出す企業の思惑とは
一般的に複数回の面接が当たり前に実施されているにもかかわらず、1回の面接で内定を出す企業はどのような思惑があるのでしょうか。
パターン1:職種ごとの事情
職種によっては、1回の面接が基本という企業もあります。
たとえば、社内業務メインのバックオフィス職の場合は最低限のコミュニケーションさえしっかりしていれば問題ないと判断する企業もあるでしょう。
技術職の場合は、企業側が欲している技術を有してさえいれば内定の判断を出しやすいといえます。
つまり、1回の面接で応募者の人間性の見極めができるかどうかが重要なのです。
パターン2:選考フローの事情
従業員が10名未満などの規模が小さい会社の場合は、一次面接から社長や役員が面接官をすることがあります。
このようなパターンでは、面接官が意思決定の権限を持っているので、1回の面接で内定が出ることがあるのです。
ただ、一般的に複数回面接のある企業の場合は、一次面接、二次面接と対応する面接官が変わります。
役員でもない人事担当者が1回の面接でいきなり内定を出す企業には、要注意です。
数合わせのために採用を行なっている企業、もしくはブラック企業である可能性が高いです。
パターン3:求職者のレベルに応じた事情
面接する企業側が、「どうしてもすぐに欲しい」と感じるような優秀な人材であると判断されれば、1回の面接で決まることもあるでしょう。
一方、企業が求職者にどれほどの人物レベルを求めているかによって変わりますが、逆に高いレベルの人材を求めておらず、すぐに人材が欲しいような企業は1回の面接で内定を出すこともあります。
■こんな企業には要注意!
1回の面接で内定を出す会社が、次のような要件に当てはまれば注意が必要です。
注意その1:数合わせの人材応募である
人の出入りが激しいブラック企業にありがちなのが、数を揃えるために転職者の採用を積極的に行なっているパターンです。
応募職種への適正判断のための面接ではなく、慢性的に人手不足のために面接を頻繁に行なっている可能性があるのです。
このような企業にありがちなのが、「教育体制が整っていない」「忙しすぎて教えてくれる人がいない」「先輩社員が慣れないうちにすぐ辞める」などです。
面接から5日以内に内定をもらったり、「早速今月から働けませんか」と聞いてきたりする場合は注意が必要でしょう。
注意その2:希望職種以外での勤務を提案される
慢性的な人手不足であるブラック企業にありがちなパターンとして、「希望職種以外で働いてみないか」と提案されることがあります。
もちろん応募者自身が興味のある職種であれば別ですが、事務職を志望しているのに営業職を勧められるなど、当初とは話が異なる場合は注意が必要です。
求職者の希望を無視して、企業側の都合を押し付けてくるこのような事例では、入社後にも会社の都合に振り回されて心身が疲弊する可能性があるでしょう。
■転職活動成功のポイント
転職活動においては書類選考を経て、1回もしくは複数回の面接を受けて内定という順序があります。
少なくとも1回は面接対応が必要があるため、面接対策をしっかりと行なうことが大事。
アピールポイントや志望動機、疑問や質問など、事前準備を徹底することが合否を左右します。
事前準備の方法などについては、転職エージェントに相談に乗ってもらうのもおすすめです。
◆まとめ
面接の回数に限らず、転職の目的は自分とマッチする企業に入社して定着することにあります。
希望の求人や職種で働けるように、面接対策をしっかりと行なって準備をしましょう。