40代の管理職が転職に失敗しないためのポイントとは?
総務省が発表した「労働力調査(詳細集計)の2023年平均結果」※1によると、転職者数は328万人(前年比25万人増)、転職希望者数は1007万人(同39万人増)と1000万人台を超えました。 転職者のなかでも、男性が151万人(同12万人増)、女性が177万人(同14万人増)で女性のほうが多いことがわかります。 このように転職はますます身近な存在になってきており、一般的な定年年齢である65歳を超えても働いている人が増えてきていることから、40代での転職を考えている人もいるでしょう。 しかし、これまでの経験を生かして管理職への転職をしたくても、年齢を考えると失敗してしまったらどうしようと、なかなか転職活動に踏み出せませんよね。 そこで本記事では、40代からの転職で悩みを抱えている人に向けた、転職に失敗しないためのポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
※1参考:http://労働力調査(詳細集計)2023年(令和5年)平均結果の要約
◆40代の転職が厳しいと言われている3つの理由
一般的に、40代の転職は20~30代の若手求職者に比べると不利になると言われています。
そこで、40代の転職が厳しいとされる理由を3つご紹介します。
●40代を対象とした求人が少ない
まず、そもそも求人サイトのなかには40代を対象とした求人が少ないことが挙げられます。
企業が40代の人材に求めているものは専門性やマネジメント力であり、これらを持った人材を獲得するためには、ヘッドハンティング式の転職エージェントを利用することが効果的だからです。
特に、管理職となると社内でのポストが限られていて企業の経営戦略に関わるため、求人サイト上では「非公開」として扱われることも珍しくありません。
したがって、一般的な転職サイトではなかなか管理職の求人に出合うのは難しいでしょう。
●40代に対する企業の採用意欲が高くない
他社で経験を積んできた40代となると、一から育成できる20~30代に比べて柔軟性に欠けると判断し、企業が採用に前向きではない場合があります。
求人情報に募集年齢は明記されておらず、「未経験者歓迎」などと記載されていても、実際には育成しやすい20~30代の採用を想定していて、40代という年齢ゆえに面接まで進めないということは少なくありません。
●求められる要素が多い
前述した通り、一般的に40代に必要な要素は専門性やマネジメント力で、組織全体に高い影響力を発揮してきた具体的な経験を求められることもあります。
また、新しい環境や人間関係に馴染む柔軟性や新たな知識、スキルを学ぼうとする「アンラーニング」の姿勢が備わっていることも重視されます。
特に、重要ポストかつ高収入で40代を一度採用してしまうと、入社後にミスマッチが起きてしまった場合に、取り返しがつかなくなる可能性もあるため、企業はより慎重に判断する傾向にあります。
◆転職後の年収は下がる?
40代での転職=「ハイクラス転職」という言葉を耳にしたことがあるかもしれません。
20~30代に比べると、求人内容も管理職候補などの高いポストで、それにともなって年収も高く設定されているケースがあります。
しかし、実際に転職したあと年収はどう変化するのでしょうか。
厚生労働省が実施した令和5年上半期の転職入職者の賃金変動状況※2によると、前職の賃金に比べて増加した割合は、40~44歳で43.9%、45~49歳で38.0%となっています。
20代に比べると増加した割合は低いと言えますが、減少した割合は30代よりも低いため、転職後に年収が下がる可能性は低いといえます。
※2参考:令和5年上半期雇用動向調査結果の概況
過去の記事では、40代でキャリアチェンジをした男性の体験談について掲載しているので、転職後の年収の変化などを参考にすると良いでしょう。
(「総務・経理職40歳男性! 40代で予想外のキャリアチェンジした体験談」)
https://k-agent.biz/blog/successstory/job-change_forties_blog/
◆管理職を希望する40代の転職者に企業が求めるもの
転職に失敗しないためには、企業側が求めるものを把握しておくことが大切です。
40代の管理職に求めるものとしては、まず管理職としての具体的な実績が挙げられます。
管理職は職務の特性上、スキルを言語化しづらいため、定量的な実績を面接などでアピールすることで採用に有利に働くでしょう。
また、現在は少子高齢化により人手不足に悩む企業も多いため、管理職としてだけでなくプレイヤーとして前線で活躍できる専門的な実務スキルが身についているかも重視されます。
さらに、組織の課題を分析し、経営を立て直したり新規事業のシェアを広げていったりと、課題解決に直結するマネジメント力も重宝されるでしょう。
他にも、管理職は現場に自社の企業理念や経営戦略を浸透させることも一つの役割です。
そのためには、転職先の経営方針やビジョンを読み込んで経営層の考えをよく汲み取る必要があります。
選考において経営層との相性が合うかどうかをチェックされる場合もあるので、共感できるポイントや理由を用意しておくと良いでしょう。
◆40代が転職に成功するための3つのポイント
40代が管理職への転職に成功するためには、以下の3つのポイントをおさえておくと良いでしょう。
●40代管理職のニーズが高い企業を選ぶ
最も40代管理職のニーズが高いと言えるのは新興ベンチャー企業です。
一般的に若い世代が中心となって事業を運営している新興ベンチャー企業は、実績や人脈が豊富なミドル層の管理職人材を必要としています。
また、新卒採用に苦戦して人手不足で悩んでいる中小企業や新卒一括採用の文化がない外資系企業は、即戦力となる人材を中途採用で積極的に迎え入れる可能性が高いでしょう。
一方、新卒一括採用や年功序列の風土が根強く残る大手企業は、内部昇格によって管理職のポストを埋める傾向にあるため、管理職としての転職は難しいかもしれません。
●勤務地の選択肢を広げる
東京などの都心に比べて、地方では少子高齢化と都市部への人口流出によって人手不足に悩んでいる中小企業が多いため、即戦力となる40代の人材は重宝されやすいでしょう。
また、IターンやUターンを積極的に受け入れている企業も増えてきており、自治体から助成金支給などの手厚いサポート体制が期待できます。
他にも、育児や介護の環境を整えやすい、通勤時間を短縮できるといったプライベート面でのメリットがあり、ワークライフバランスを充実させたい人には向いています。
40代ではありませんが、過去の記事では33歳の女性がワークライフバランス重視で転職に成功した体験談を掲載しているので、ぜひご覧ください。
(「人事・総務33歳女性! ワークライフバランス重視で転職に成功した体験談」)
https://k-agent.biz/blog/search/job-change_blog_niigata-city-6/
●年上部下や年下上司との関係を想定しておく
40代が転職する場合、転職先に50~60代の社員が在籍していれば、入社年次は自分のほうが浅くても彼らの上に立って仕事をする必要があります。
一方で、転職先の上司や経営者が20~30代である可能性も充分にあります。
どの場合であっても、新たな職場では自分は新入社員にすぎないことを自覚し、まっさらな気持ちで仕事に向き合うことが大切です。
◆まとめ
本記事では、40代が管理職としての転職に失敗しないためのポイントを、転職が厳しいと言われている理由などを交えて解説しました。
40代かつ管理職を必要とする少ない求人のなかから、自分にマッチする転職先を見つけることは時間と労力を要するでしょう。
また、現職の仕事が忙しく自分で求人を探すことも難しい場合は、転職エージェントに登録することもおすすめです。
転職エージェントであれば、プロのアドバイザーが求人サイトには掲載されていない非公開求人を紹介してくれることもあるので、より自分の希望条件に合った転職先を見つけやすくなります。
過去の記事では、転職エージェントの利用の流れについて解説しているので、ぜひご覧ください。
(「転職エージェント利用の流れは4ステップ!有効活用の方法も紹介」)